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役に立つ・役に立たない

文学部で勉強して「なんの役に立つんですか」ということを生徒から相談されることがあります。役に立つこととしては、論文を読み込む時間を過ごすことで、程度の悪い疑似アカデミズムのようなものに対して「おかしいな」と思うセンサーくらいは身につく気はします。それとは逆に、あっさり「役に立ちませんね」という答え方もあり得るとは思いますが、ただし、「役に立つ、役に立たない」というときの社会観なり、人間観なりがあまりに貧しいんじゃないかということは言ってみたい気がします。

むろんさまざまに社会に役立つ学問領域も生まれているようですが、文学部の諸学問にはそれぞれ長い歴史があります。そこで学ぶことは、自分の前に生きた人々、先学たちと対話するということでもあるでしょう。相手にとって不足はないし、そこにわずかなりとも自分が何かを付け加えられないかと努力するのは、十分にやりがいのあることだと思います。

欧米の伝統的な大学はどこも中心にリベラルアーツがあって、それを同心円的に諸学が取り巻くという基本的なスキームを変えていません。人文知が中心に来るのは、そこが最も根源的な問題を扱う分野だからです。他がどれほど「ニーズ」に合せて変化しても、そこだけは変化しない。そういう揺るぎない中心がなければアカデミアは機能しません。

価値観が変わるときこそ

人工知能の発達によって人間の仕事がロボットに取って代わられるという話もありますが、今って価値観が変わっていく曲がり目に来ていて、こういうときはすごくアカデミズムが頑張らなきゃいけないと思うんです。今までになかったモノが作り出されてくるでしょうが、そのときの倫理観みたいなこともすごく問われてくると思うんです。一度何かをつくると、人間って絶対に後戻りできなくなる。例えば車のない生活には戻れないし、そこで生活の糧を得る人も出てくるわけですから、簡単に引き返せなくなる。今はいろいろなものが飽和する状態になってきていているので、もしかしたら「役に立たない」と言われるかもしれないけれども、歴史を見つめたりとか、その中で蓄積されてきたものの考え方であったりとか、知であったり、宗教であったり、芸術であったり、それについて考えて、きちんと答えを出す道筋を示すということが逆に大事になっている。それを「即効性がないから」といって切り捨てるのは簡単だけど、切り捨ててしまったら、やせ細ってしまったら、もう一回太らすのはものすごく大変だと思うんです。

「文」学とは

「文」学とは、小説や詩などの文芸に限定されるのではなく、広く「学芸」(学問・芸術・科学)全般を包含する「知」を意味します。しかし文学部の知的探究の領野はそれにとどまりません。真・善・美にかかわる哲学的な叡智の追究、人類の歩みとこれからを展望する歴史的な探究、記録された知識や情報の保存と活用に関する理論と技術の形成、社会の構造や機能とそれを構成する人間の心、行動、形成などについての科学的検証、さらには文化創成の基盤をなす自然環境と人間との相互作用の解明など、人間と社会そして自然のすべての領域に眼差しは向けられています。つまり事象の本質を追究するという姿勢です。そしてそれには「文」(ことば)が重要な役割を果たします。いわゆるグローバル化や情報社会の到来によって、変動の激しい流動化する社会や世界の動向があるからこそ、根源や本質を追究するという文学部の意義はますます重要になってきます。

あ、これ、おもしろそう

何かを選ぶときに大事なことは「おもしろそうだ」と思えるかどうか、それが大事だと思うんです。例えば、美術館の仕事も「おもしろそうだ」と自分が思えるか、そして観る人たちにも思ってもらえるか、です。中身がないものをおもしろく思わせるというのは至難の業ですが、中身があるものは出し方次第です。
率直に言えば、そもそも大学に入るような二十歳にも満たない年齢で学問のおもしろさなんかわかるわけがないんです。ですから、直感的に「あ、これ、楽しそう」と思うかどうかですね。もし、そう思ったら、迷わずに一歩踏み出していく勇気。道はそこから広がります。

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