京都府立嵯峨野高等学校(京都こすもす科) | 天才は存在しない【高校受験-合格体験記】|成基学園-受験指導と志共有の学習塾

京都府立嵯峨野高等学校
(京都こすもす科)
合格-2021年度

わたしの志は、

天文学者になって、地球のように生物がいる星を見つけることです。

私の志は天文学者になって、地球のように生物がいる星を見つけることです。元々、数学が好きで将来は数学関係の職業に就きたいと考えていたため、天文学は自分のなかでしっくりきました。志を果たすために、これまで数学に重点をおいて勉強をしてきました。これからは理数系に特化した学科で、さらに高度な理数数学を理解し、天文学的な専門知識も少しずつ学んでいきます。

天才は存在しない

中学一年生の数学の授業で僕が一次方程式を学んでいたとき、学校のM先生の発言に衝撃を受けました。

「次はケーキ一個とジュース一本の代金をχにおいて立式してください。」という発言です。「ケーキ六個と八〇円のプリン一個の代金は、ケーキ一個と一五〇円のジュース一本の代金の四倍です。ケーキ一個は何円ですか」という問題でした。一般的にはケーキ一個をχ円とおいて、立式し解きます。しかしM先生はケーキ一個と一五〇円のジュース一本の代金をχ円とおくように言われたのです。

まだ文字の概念になれていない一年生にとって、この指示は難解でした。クラス全員がペンをとりましたが、手が動く気配は全くありませんでした。しかし、数分たった後、僕は立式に成功し、χ=四一〇と解けたのです。

「先生、ケーキ一個の値段は四一〇円です。」僕は自信に満ちた声で言いました。クラスから歓声が上がります。しかしM先生はにやりと笑われたのです。「かかったな」と言わんばかりの表情でした。 「そうでしたか? 前回、ケーキ一個をχ円としたときは二六〇と出たはずですが。」正解は二六〇、僕の解は四一〇。僕は不正解でした。「武内くんが出したのは、ケーキ一個とジュース一本の代金でしょう?」僕は自分の間違いに気づき、赤面しました。僕の解からジュース一本分の値段を引くと二六〇になりました。僕は立式も計算も成功でしたが、答は不正解でした。

この出来事を境に、僕は数学に興味を持ち始めました。χを何においても答はただ一つに決まるということに魅力を感じました。

僕が受験を意識し出したのは、二年生の終盤の頃でした。僕は受験対策のために成基学園に入塾しました。入塾当初、緊急事態宣言で通塾ができず、リモートでの授業でした。

最上位クラスのSSクラスでの授業だったため、ハードだろうとは覚悟していましたが、それを上回るハードさでした。授業の進行は高速で先生の話は難しく、ついていくことで精一杯でした。授業中にクラスメイトと取り組む問題は、僕の知らない知識がたくさん必要で、先生に当てられたときは、半分近く、「わかりませんでした。」と返しました。クラスメイトは次々と僕のわからなかった問題を正解し、僕は自分の覚悟の甘さを身をもって知りました。志望校は夏休みのときに決めました。決め手は数学でした。文系よりも理系が得意だったということもあります。

志も夏休みのときに決めましたが、今の志とは違うもので、大手ゲーム会社に入社することでした。理由はゲームが好きだから、でした。

志望校や志が自分の中ではっきりしてきて、受験の実力もついてきたと感じていたとき、〈日進〉が始まりました。〈日進〉とは〈日曜進学教室〉のことで、毎週日曜日に成基学園全体で模試をします。点数、順位、合格率が毎回表示され、自分の実力が一目でわかります。〈日進〉は全一四回で、第五回までは《ベーシックコース》、それ以降は志望校ごとにクラス分けがなされます。《チャレンジコース》と《ウルトラコース》です。

《ベーシックコース》では、自分の満足のいく結果が得られました。そのため、僕は自分の実力を高く評価していましたが、クラスが分かれて、《ウルトラコース》での〈日進〉のとき、僕の順位は二〇位台から三〇位後半まで落ち込みました。テストが一気に難しくなり、点数が下がるとは思っていましたが、自分だけでなく、他の人の点数も下がるだろうから、順位は変わらない、と高をくくっていました。しかし、蓋を開けてみると、一〇位以上の降格でした。

原因は社会でした。必要な知識量が他の四教科よりも多い社会は暗記を後回しにし、演習ばかりをしていた僕にとっての最大の弱点でした。そのことを自覚した僕は社会を勉強し始め、なんとか二〇位台前半に安定して入れるようになりました。〈日進〉がなければ、このまま弱点を放置して受験に挑んでいました。

こうして迎えた受験当日は、不思議と過度な緊張はなく、ほどよい緊張感のなか挑めました。合格を知ったときは当日の僕だけでなく、これまでの僕全員を褒めてあげたくなりました。しかし、過剰な誇りは持たず、がんばって良かったと思うのみでした。

冒頭の出来事、入塾当初の甘さ、〈日進〉の悲劇。この三つの共通のテーマは「慢心」です。立式して解けた気になったり、甘い覚悟を持ったり、順位が下がることはないと思ったり……。全て、自分の力を高く見積もったことが失敗の要因になっていました。

僕の経験から受験を控える皆さんに伝えたいこと。それは、「天才は存在しない」ということです。物事がうまくいけば自分に自信がつくのは自然ななりゆきです。しかし、自分の力に満足しないでください。天才はいません。絶対に成功する、という水準は存在しません。努力を怠ることなく、自分を高めていってください。ありがとうございました。以上です。

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