京都府立園部高等学校附属中学校
合格-2016年度

夢に向かって

私の将来の夢は、小学校の先生になり、子どもたちの夢と希望を応援することです。

私がこの夢をもつようになった理由は、二つあります。一つ目は、小学二年生のときの担任の先生にあこがれたことです。その先生の授業は、わかりやすくて、楽しくて、勉強に対する興味をもつ、きっかけを与えてくださいました。

二つ目の理由は、人に何かを教えて、その人が成長する姿を見るのが好きだということです。学校の友だちに、「この問題教えて。」と言われることが何度もありました。初めは面倒くさいと思いながら教えていましたが、教え続けるうちに、友だちが成長していく姿を見ることが、こんなにも嬉しいことなのかと実感するようになりました。いつしか、子どもたちの成長を間近で見ることのできる小学校の先生になりたいと思うようになりました。

私が志望校を決めたきっかけは、仲の良かった友だちが京都府立 園部高等学校附属中学校を受験することになり、私も興味本位で園部高附中のホームページをのぞいてみたことでした。すると、園部高附中が自分の夢につながりそうな教育方針・目標であることがわかりました。それは、コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力を伸ばすことに、重きを置いていることです。引っ込み思案の私は、「絶対この学校に合格して、自分を変えたい！」と思うようになりました。これが、小学四年生の冬のことです。

しかし、四、五年生のときは、まだ受験まで時間がたくさんある、という安心感から、とりあえず塾に通っているだけの状態が続いていました。わからない問題を、自主的にわかろうとする姿勢が身についていなかったのです。

そんな私が危機感を覚え、このままではまずいと思うようになったのは、小学六年生の夏です。

この時期は、〈夏期講習会〉や〈夏期集中特訓〉で、ほぼ毎日塾に通っていました。自分の成長を実感する反面、授業時間外も自習室にこもって、夜遅くまで勉強している仲間たちを見て、「自分もやらなければ」という焦りを感じていました。また、模試の判定で思うような結果が出なかったときに、「こんなにしんどいなら、受験なんてするんじゃなかった」と思ったことも何度もありました。それでも、「自分の合格したい気持ちはその程度だったのか」と自分自身に問いかけることで、気持ちを鼓舞し、がんばっている仲間たちに負けないように、自分もこんなところで弱音をはいていてはだめだと、立ち直ることができました。

秋に入り、普段の授業の内容も、ますます本格化してきました。このころ、私は学習時間のほとんどを復習にあてていました。しかし、復習をするうえで困ったことが一つありました。いざ、テキストを見直してみると、案外忘れていることがたくさんあるということです。授業中、どんなに集中しているつもりでも、先生の解説を一字一句暗記することはできません。「忘れているな」と気が付いた問題は、ためらわずに先生に質問をし、すぐに解決することが大切だと思います。そうすることで、わからない問題を明日に持ち越さない習慣が身に付きました。私の勉強方法は、過去問を見て、毎年出題される問題の傾向を意識し、できなかった問題を何度も何度も解き直すというものでした。仲間たちはどうなのだろうと心配になることもありました。そんなとき、家族や先生方が、「自信を持って挑めば大丈夫！」と声をかけてくださったことが、合格の自信へとつながりました。

入試当日、その日は快晴で、空に見える太陽の光が、私の緊張をほぐしてくれたようでした。記述試験も、面接試験も、自分の力をすべて出し切ることができ、悔いなく終えることができました。

合格発表。期待と多少の不安を抱きつつ、合格者掲示の前に立ちました。「〇四八」自分の番号を見つけ、思わずとび上がって喜んでいる自分がいました。苦しい経験を乗り越え、これまでの努力が報われたということが、何よりも嬉しかったです。いつも応援してくれた家族と成基学園のメンター、仲間たちに、「ありがとう」と心の中でつぶやきました。

第一志望校の合格。それは、無数にある目標の一つを達成したにすぎません。私の人生にはこの先も、たくさんの困難が待ち受けていると思います。しかし、受験勉強で学んだ努力することのすばらしさと、最後まであきらめない姿勢を忘れず、どんな困難も乗りこえていきたいです。合格したことに満足せず、小学校の先生になるという夢を叶えるために、中学・高校と走り続けたいと私は思っています。

最後に、これから受験を迎えるみなさん、大切なのは、最後まであきらめない、強い気持ちです。自分を信じ、合格に向けてがんばってください。