
わたしの志は、
教育を受けられない人たちを教育活動を通して幸せにすることです。
ふり返ってみれば、この受験でつらかったことも、うれしかったことも家族と一緒だったと思います。つらい時も嬉しい時も変わらずに頑張ろうと思えたのは家族が温かく見守ってくれたからで、友人が頑張ろうと言ってくれたからで、先生に勇気をもらったからです。こんな環境に恵まれている僕だからこそ良い環境を与えられるようになって頑張ることの楽しさと大変さ、素晴らしさを伝えたいです。
成基の大発見
僕は、小学5年生から友達に誘われてハンドボールをしていました。6年生になると、中学受験をする友達たちが必死に勉強する姿を見て少し遊んでいることに罪悪感があったことを覚えています。兄の姿を見て、日頃から中学生になると勉強が大変になるのだと感じていたので、中学校になる前頃から兄の通っている、成基学園に通おうと思い、体験から始めました。
中学へ進学し、部活でハンドボールを続けることにしました。小学校では少なかった他県への遠征が増えて、塾と部活に自由時間を押し潰されたような感覚でした。しかし、成基学園に通っていたおかげで学校の授業は復習感覚でこなせ、分からないことがあってもメンター方が分かりやすく教えてくれました。基本的には、順調に中学校生活に慣れていき、あっという間に1年生が終わろうとしていました。
そして、春期講習の後にある志講座で将来について考える時間があった時、自分はなぜ、なんのために学ぶのだろうか、と考えました。父からは、勉強をしなければ後悔すると言われていましたが、学んで何をしたいのか、いくら考えてもはっきりとした答えはでませんでしたが、成績も良いまま進級し、部活動はさらに本格的になっていきました。練習量が格段に増えた訳ではありませんでしたが、精神面でやはり勉強と部活動を同じようにすることは難しく、どちらかに逃げてしまうことが、いつものようにあったことを覚えています。休暇の講演会では、部活動の都合で参加できなかった授業が多くありましたが、部活のない時に成基学園へ行き、皆におくれをとらないようにとメンター方が手厚くサポートをしてくれました。
3年生が部活動を引退し、3学期からはいよいよ自分たちが中心となって部活をするようになり、勉強が疎かになることも増え、不安でいっぱいの日々を、なんとなくこなす感覚で部活から帰っては成基学園へ行き、寝ては学校へ行き、という生活でした。その頃から、兄が通学している京都市立西京高等学校に興味をもち始めました。とはいえ、気持ちを切り替えて必死に勉強をする訳ではなく、成績さえとれば、3年生から勉強すればいいと思っていました。また、その頃は皆が部活動にさらに力を入れていきました。それが自分の首を絞めるのだろうと分かってはいながらも言い訳をして頑張っているフリをしてごまかしていました。
2年生の終わりに近づき、志望校を固めた人が増えてきて、受験の会話もするようになり、受験が近づいてきた実感がわき始めました。
3年生になってからは塾の時間だけではなく、家で1・2年生の内容の復習をしました。苦手な範囲があれば、授業の前に成基学園へ行き、メンターに質問をしました。しかし、いつもそんな余裕がある訳もなく、最後の夏の大会に向けて、さらに遠征も週2でいくことも多くなり、授業に遅れたり、宿題ができなかったり、答えを写したりもしてしまったこともありました。
夏の大会では、全国大会に出場し、僕は、個人の目標である、全国大会で点を決めることを達成できました。そこで、僕は、練習してきてよかったと、努力は素晴らしいと気づくことができました。その心構えで日曜進学教室にも臨むことができ、苦手な分野をテストの結果から見つけて受験に向けて万全な状態をつくっていけました。部活をしていた時は、勉強に専念できる時期になれば持ち前の体力で集中し続け、力をつけられるだろうと思っていましたが、1日中勉強というのは不可能で、集中力が続かずに外に気分転換と言って30分に1回ぐらいランニングに行ったりゲームをしたりしました。このままではいけない、と危機感をもち、学校から成基学園に直行して効率化を図りました。自主的に苦手な所をくり返したり、赤本のやり直しをしたりして力をつけていきました。
奈良入試の帝塚山高等学校ではうまく解くことができ、幸先の良いスタートをきれました。第1志望校の京都市立西京高校は緊張はしましたが、メンター方の言葉を思い出し、分からなくても、すべての問題をうめました。赤本で練習した時の感触では、合格はするだろう、しかも上位で入れるのではないかとも思ってましたが、実際の入試では問題の形式が違ったせいか、1週間ほど結果が出るまでは不安がありました。合格発表当日、校門の前で急に足が止まってました。合格した事が分かった時、自然と気がゆるみ、自分のやってきたことに初めて意味が付いたような感覚になり、涙が出ました。僕はこの受験を通して目標に向かって頑張ることの大切さと、頑張りを支えてくれるメンター方、友、家族がいることがどれだけ恵まれているかを学びました。
保護者からのコメント
N・Sさん
Yは、小さい頃水が苦手で、水に顔をつけられず、シャンプーをするのも大変でした。幼稚園の年長さんまで全く泳げませんでした。年長さんの秋頃からスイミングを週1回習うようになりました。初めの頃は今にもおぼれそうな様子で必死にレッスンを受けていました。できない事に毎回毎回取り組む事はつらかったのではないかなと今振り返ると思います。それでも続けていくうちに、めきめきと泳ぎを覚えて上達しました。クロールや平泳ぎのタイムもどんどん縮まり、3、4年生の頃にはきれいにバタフライで泳ぐようになったことに、かなづちの私はただただ感心しました。水に顔もつけられなかった子が、毎年小学校で開催される水泳大会で、リレーの選手に選ばれるまでになったのです。
受験勉強でも、親の心配をよそに、自分からチャレンジして克服して伸びていってくれたこと、スイミングに通じるなぁと思っています。Y、いつも感動をありがとう。
担任からのコメント
伊藤 由紀栄
今改めてY君を思い出してみたとき、目標に向かって前向きに取り組んでいる姿しか頭に浮かびません。ハンドボールの遠征や試合でほとんど授業に出席することができなかった夏期講習。そんな中でも遅れを取り戻そうと、空き時間には必ず自習室に来て課題をこなしていましたね。また、過去問に取り組み始めてからは、頻繁に英作文や記述の質問を聞きにきてくれました。そんな一つひとつ確実にやるべきことを仕上げていった姿を見ていたので、結果は必ずついてくるだろうと安心して見守ることができました。
これからどんどん新しい世界が広がっていく中、高い壁にぶつかることもあると思います。でも、何にでも努力を惜しまないY君なら、どんな壁でも乗り越えていけると信じています。一回りも二回りも成長した姿を見るのを楽しみにしています。
西京高校エンタープライジング科合格、本当におめでとう。