わたしの志は、
臨床医師を支えられる病理医になって1人でも亡くなる人やそれを悲しむ人をへらすことです
昔、飼っていた犬ががんで死んだとき、私はとても悲しみ、同じような人を減らしたいと思いました。その後、調べて見つけた就業が病理医です。私は、病理医の臨床医師を支えるような仕事内容に就きたいと思いました。そのために中学、高校では特に数学と理科に力を入れ、大学では医学部に入り、そこでの勉強を頑張ります。その間に、心も成長させたいと思います。
おくりもの
洛南高等学校附属中学校の入試当日の朝。私は、これまでにない緊張と恐怖を感じていた。電車にのりながら気をまぎらわそうとした。しかし、そんな時に思い出すのは、決まってネガティブなことだ。日曜進学教室(日進)の結果が悪い時が続き、洛南中の合格率が20パーセントさえとどかなかった時の不安。洛南コースの「一番前」の席であることへのプレッシャー。それらの気持ちを周りに気付かれないようにすることのしんどさ。それらを思い出し、余計緊張してしまった。そのため、電車の中の人を見た。すると、洛南中の受験生らしき人々が見え、「この人たちは、自分よりも賢い人なんだろうな」と思い、またネガティブになる。そして、今までを思い出す。このような悪循環からぬけ出せなかった。でも、私は洛南中の入試に落ち着いて臨むことができた。
それはなぜなのか。それは、「おくりもの」の存在があったからだ。「おくりもの」は4つある。
1つ目は、Y先生とN先生の言葉である。当日の朝、私は洛南中の入試が恐ろしい怪物のように思えていた。しかし、先生方が言ってくれた。
「洛南中に行くための技術と力はある。」という言葉で、今まで私が解いてきた過去問と同じなんだと思えた。洛南の入試は見たことがない怪物ではなく、何度も見てきた怪物であると気付けた。
2つ目は、友達、友達の親、両親の「がんばれ」という言葉だ。たった4字の言葉だけど、そこには私を応援してくれる気持ちがこめられていた。それを聞いて、自分はひとりではないことに気付けた。
3つ目は、入試までの経験である。私は、1年生の終わり頃から「Sキッズ」に通い、3年生の時から中学受験を意識して勉強をし始めていた。そこからの4年間は、私にとってとても濃く、長い4年間だった。3年生の頃、塾と学校の授業がまったく違っていて面白さを感じたこと。オープンテスト、日進で思うような成績がとれず、泣いて、イライラしたこと。難しい問題が解けたことを喜んだこと。同じクラスの友達と話したり、笑いあったりしたこと。早い時間に塾に来て、質問したこと。たくさんの経験をした。私とまったく同じ経験をした人はいない。そう思うと、なぜか自信がわいてきた。
4つ目は、私が所属している教室である「茨木教室」と最難関特訓などを受けに通っていた「本部」の2つの存在である。茨木教室は、入試直前になってもピリピリした緊張感はあまりなく、最後まで授業に「楽しさ」が残っていた。それに対して本部は、ピリピリとした緊張感があった。どちらもデメリットやメリットがある。私の場合は、両方がまざり丁度いい緊張感と落ちつきがあった。
6年生の前期の頃の私は楽しんで授業を受けていた。しかし、日進が始まり、毎週自分の合格率がわかり、しんどくなっていった。
ある日、私は日進を休んだ。その頃が一番思いつめていただろう。そして次の日、茨木教室に行った。すると、先生方からそのことについて声をかけられた。その時言われた「日進の結果が悪くても、洛南に合格できればそれでいい」という言葉で立ち直れた。
このことがあったこともあり、落ち着いて入試を受けられたのだと思う。
私は、受験を通して勉強以外のさまざまなことを学ぶことができた。入試当日の心の支えとなってくれた両親や友人からの応援の大切さや、今まで私を中心として考えて、サポートしてくれた母の優しさ。夜遅くても、父がむかえにきてくれることのありがたさなど。受験したからこそ感じ、学ぶことができたと思う。私は、これらのことを忘れない。
洛南中に合格したからといって、これがゴールではない。むしろ、志を達成するための道のスタート地点にようやく立つことができただけだ。この後、どうやるかは私次第だ。だから、この経験とおくりものを大切に自分の武器として、志を達成するための道を歩んでいきたいと思う。
そして、これから中学受験をする人に伝えたいことがある。私は、「合格でも不合格でも自分がやりきった結果だ」と受け止める覚悟ができた人が本当の受験生だと思う。とはいえ、そうした受験生になるためにしんどかったりつらかったりすることがあるはず。それでも自分をサポート、応援してくれる人がいるという事実はなくならない。だから、あきらめずにやりきってほしい。
そして最後に言いたいことがある。
成基学園の先生方、SちゃんやSちゃんのお母さん、Yくんのお母さん、そしてお父さん、お母さん。みなさんのおくりものがあったからこそ私は洛南中に合格できました。
本当にありがとうございました。
保護者からのコメント
O・Eさん
娘は、1年生で入塾しました。当時は中学受験を意識せず、勉強の習慣付けを目的に通い出しました。
学年が上がるにつれ、自然に集まる受験情報と定まらない方向性。そのような状況で私達が決めたのは、塾の経験値を信じることでした。先生のアドバイスを忠実に、授業と模試をペースメーカーに日々を過ごしました。コロナ禍で小学校生活の多くを自粛せざるを得なかった娘にとって、学校説明会の活力に溢れる情報は、とても魅力的だったようです。将来の視野が広がり、娘の意志が固まりました。とはいえ、小学生。親子間のサポート度合いは試行錯誤で、悩みは最後まで尽きることはありませんでした。思えばあっという間、しかし小学生にとっては途方もなく長い時間。先生と友達に恵まれ、共に歩み、かけがえのないものが得られたと感じます。その片隅で、私達は全力を尽くす娘の姿を見ることができ、幸せでした。
担任からのコメント
吉田 智晶