
わたしの志は、
自由な人であることです。
僕は行動を強制されることも強制することも好きではありません。自由が良いと思います。自由であるためには自分の行動に大きな責任が伴います。そのためにはこれからも勉強をしっかり続け、たくさんの楽しみを見出し、それを人と共有することで、人を尊重し尊重される自由な人でありたいと思います。
僕と家族と先生と
僕が成基学園に入塾したのは、小学校3年生の初めのころです。もともと3歳上の兄が成基に通っていたので、僕も中学受験をするのだろうと漠然と思っていて通い始めました。初めは緊張もしましたが、優しくて面白い先生たちと話しやすいクラスメイトのお陰ですぐ慣れることができました。
5年生になるとクラスメイトのほとんどが志望校を決めていて合格にむけて頑張っていましたが、僕はまだ漠然としたままでした。その頃僕は野鳥撮影にはまっていて、写真部があるところがいいと思っているくらいでした。そんなころ三者面談でT先生から「東大寺学園はSちゃんに合っていると思うよ」と薦められたことがきっかけで夏休みの学校見学会に行ってみることになりました。東大寺学園は山の上にあって、道すがらメジロやシジュウカラの声が聞こえていました。体験授業では折り紙を使って図形問題を考えたり、リズムだけを聞いて曲をあてたり、とても面白い授業でした。何より先生には押し付けるようなところがなく、自分で決めさせてくれる雰囲気が心地よく、東大寺学園中学校に行きたいと思いました。
僕が東大寺学園中に受かるために勉強で気を付けていたこと。1つ目は、授業中は集中すること。当たり前のことですが重要です。暗記すべきことは授業中に全部覚えてしまうと、家で復習する時間をとらなくてよくなります。2つ目は、テストやショートテストの解答をもらったとき、すぐにチェックすること。どこの問題をどう間違えたのか、計算ミスか暗記忘れか、間違えた理由が分かるまで解答・解説を読んでいきましょう。間違えた問題を読み返すのは悔しい気持ちになりますが、そのままにしているとまた間違えてしまいます。もちろん普段の宿題でも直し作業は絶対です。3つ目は、息抜きも必要だということ。勉強が嫌だと思うときもあります。勉強を頑張ったあとに好きなことをして気持ちを切り替えましょう。
6年生になると成基本部での授業が増えました。いつもと違う厳しい雰囲気の中で、いつもと違うクラスメイトたちと受ける授業はつらかったです。行きたくないと思う日もありました。そんな時期、東大寺学園中の文化祭に行きました。クイズ研究会他たくさんの部活がやたらと難しいクイズを出していたり、TDJ48なる男子生徒が女装して踊っていたり、生徒が思いのまま自由に行動しているのが印象的でした。東大寺学園中に行きたいという気持ちを再確認できました。しかし、そんな僕にも塾に行きたくないと思ってしまう日がありました。授業を受けた後に好きなことをする時間を作ってなんとかやり過ごしました。
終盤には過去問にも取り組みはじめました。あまり点数が取れず悲しくなるときもありましたが、間違えたところは間違えた理由が分かるまで解説をじっくり読みました。
入学試験当日。できることはすべてしたつもりでしたが、まだ少し不安がありました。自分はこの学校に行くことができるのだろうか、周りの人たちは合格するのだろうか、などと思いました。全力を出して問題を解きました。
合格発表日、残りの計算問題集をこなしているとパソコンを見ていた母が突然「合格したよ!」と言いました。まずはその声の大きさに驚きましたが、しばらくして東大寺学園中に合格できたという実感がわいてきました。心の中で不合格だったら悔しいという不安がありましたが、それがなくなってすっきりし春からこの学校にいけることが嬉しくなりました。
僕が東大寺学園中に合格できたのは自分を支えてくれた家族や先生たちがいたからです。本部に行く日は滋賀の自宅から京都まで車で送迎してくれた父。お弁当の用意から提出物のチェック、体調管理までしてくれた母。時には励まし、時には愚痴を気が済むまで聞いてくれた先生。本当にありがとうございました。
保護者からのコメント
A・Mさん
中学高校は本人の合った学校でのびのび勉強して欲しいという思いで入塾し、息子2人計7年間成基学園でお世話になりました。
先生は優しい方ばかりで、子どもたちは授業を楽しんで受けていました。性格も勉強への取り組み方も違う2人でしたが、各々に合わせた声かけで本人のやる気を引き出してくださいました。入塾から卒業までずっと関わっていただいた先生も多いです。信頼する大人たちのいる場所に子どもを預けることができて本当に良かったと思います。
Sは目の前の課題をこなすことも興味のあるものに没頭することも得意ですが、見通しをたてることは得意ではありません。志望校もなかなか決まりませんでしたが、決めてからは将来について考え、合格に向けて見通しをたてて勉強に取り組むようになりました。Sを東大寺学園にまで導いてくださった先生方に感謝しています。
7年間ありがとうございました。
担任からのコメント
稲葉 修嘉
この2年間、君と一緒に苦楽を共にできたことは、私にとっても貴重な思い出となりました。授業中に君が見せてくれた、ウィットに富んだ的確な突っ込みには、何度も感心させられ、なかなか楽しいものでした。
言い方は悪いかもしれませんが、君は本当に手のかからない子でしたね。つまり、それだけ君は独立自尊の意識が強く、こちらがとやかく言う必要がありませんでした。多くを君自身に任せておける、そう感じさせるような頼もしい生徒でした。かといって自分勝手な振舞いをする訳でもなく、人の考えを素直に受け入れる柔軟な一面もありました。
自由を重んじ自由に生きる、という君らしい言葉は、今後も君を突き動かす大事な指針になるでしょう。これからも君の活躍を心から祈念しています。