合格進学校 京都市立堀川高等学校

わたしの志は、

学校の教師になって、生徒たちが将来の希望と夢をもてるように勉強だけでなくそれ以外のこともたくさん教え、幸せになってもらうことです。

この志を立てた動機は、私が「教師」の概念を変える人と出会ったことです。「教師」にどこか堅苦しいイメージがありましたが、その先生はまっすぐ生徒と向き合い、生徒の幸せを第一に願っているように思えました。人の役に立ちたい思いも強かったことから、教師になり、私たちの次の世代が幸せになる手伝いをしようと決めました。そのために、まず自分と向き合うこと、どんな自分も受け入れて、改善策を考え、前に進んでいきたいです。

出会いの素晴らしさ

平成二十六年一月二十二日。自分の部屋で京都市立西京高等学校附属中学校の受検票を左手で握りしめ、私は涙が止まらなかった。そう、受験に失敗したのだ。

私が成基学園に入塾したのは、小学五年生の夏だった。周りの人から受験を勧められ、私も勉強ができるようになりたいと思ったからだ。入ってみると、四年生あるいは三年生から来ている人もいて、私は遅れていると思った。それなりに努力したつもりだった。けれど周りは私の何倍も、何十倍も努力していたのだろう。当時私は勉強への前向きさが欠けていた。当然結果は不合格だった。これ以上ないくらい泣いた。そして心から、高校でリベンジがしたい、勉強がしたい、もっと賢くなりたいと思った。受動的でなく能動的に。

一年生のときは、部活動に打ちこんだ。しかし、基礎をしっかりやらないといけないとわかっていたから、宿題をしてできなかった問題を解き直すことは必ずやった。当時は、可もなく不可もなく、そんな成績であった。

二年生になって先生が変わり、内容もスピードもレベルが格段に上がった。初めにつまずいてしまえば、追いつけない差ができると思った私は、どの教科も復習中心に努力した。まだまだ一〇〇パーセントではなかった。それでも成績は悪くないからと安心していた。

私がようやく本気で焦り始めたのは、三年生になってからのことである。Sクラスに四人くらいが上がってきた。みんなすごくよくできて、圧倒された。生半可な勉強は通用しないと思った。できないところがあるのは、自分のせいだと、やり足りていない部分を埋めにかかった。目の前の自分の課題をこなしていくこと。ただただできないところを自分の力でできるようにすること。その方法が功を奏したのか、〈夏期学習合宿(合宿)〉のクラス分けに使う〈Vもし〉の成績は良く、自分でも嬉しかった。ところが、私はまだまだ甘かった。ほんの五ヵ月で一、二年生の穴を埋める、かつ、三年生の勉強をするということをやりきれるわけもなく、〈合宿〉で痛い目にあった。周りは自分のしてきた努力に自信があり、私より努力していると思える人ばかりだった。これではどこも受からない、何倍も何十倍も努力しないとだめだと強く思った。とりあえず最終日テストに向けてやれることをしようと思い、ひたすら努力した。〈合宿〉とは何なのかと聞かれたら、私は、「自分を見つめ直す場」だと答えると思う。いろいろな人に出会って自分のあり方と照らし、刺激を互いに与え合い、合格に向けてがんばる、すばらしい場だと思っている。

そして日がたち、〈日曜進学教室〉が始まった。最初の方は成績が良かった。しかし〈ウルトラコース〉に入ると穴が目立ち、点数がとれなくなった。自信は失ってしまったが、やるべきことはわかっていた。いつでも目の前の課題をこなすだけ。復習量も増やした。それでも成績はすぐにのびることはなく、むしろ下がっていっているようだった。最後の〈堀川・西京・嵯峨野模試〉では数学が三十点台。他のテストや模試でも成績が悪いと嫌になり、そのたびに泣いた。受験が近づいたときのテストの出来が良くなく、もうどうしたらいいかわからないときもあった。そんなときに、私を支えてくれたのは周りの人たちだった。成績が悪くて落ち込んだとき、常にそばにいてくれる友だちがいたら私は前を向いてがんばることができた。先生方にも恵まれた。英語のY先生は、私ができないときも的確なアドバイスをしてくださった。数学のN先生は泣きながら相談に行っても、いつも通りの感じで話を聞いて意見を言ってくださった。国語のS先生は苦手だと言ったら、私の学力に合った演習テキストを貸して指導してくださった。理科のU先生は質問をしに行くと、理解度を見ながら丁寧に教えてくださった。社会のN先生が努力される姿を見て、がんばろうと思えた。どの先生の授業もおもしろく丁寧で、大好きだった。

この受験録を通して私が言いたいことは、出会いを大切にしてほしいということと、成績が良くないときも、自分で自分を見つめて、努力を続けてほしいということだ。努力はいざというときに、必ず自分の味方になってくれると思う。私は三校全ての受験で、「今、入学試験を受けている」という不安や緊張がなかった。本番に平常心で臨めるようにするには、努力が必要不可欠である。少なくとも私はそう強く実感した。また、私が努力を続けられる根本には、多くの人の存在があった。それらの人との出会いがなければ、今の私は存在しない。来年受験をする人には、支えてくれる周囲の人たちを大切にしてほしい。そして、先生方や両親への感謝の気持ちを忘れないでほしい。苦しいときもたくさんあると思う。泣いて帰るときもたくさんあると思う。それでも、前を向いてがんばってほしい。私たちは、「勉強させてもらえる」ありがたい立場であることを常に心にもち、努力を重ねてほしい。私の学びはこれで終わらないし、むしろここからだと思っている。

今までお世話になった先生方、本当にありがとうございました。これからもまっすぐ前を向いて進んでいきます。