関西学院中学部

合格-2013年度

夢に向かって

父が、サッカーのコーチをしていたことがきっかけで、ぼくはスポーツをするのが小さい頃から大好きでした。でも、入部したのはサッカーではなく、野球チームでした。

その理由は、初めてテレビでプロ野球選手の格好いいプレーを見て、「自分も、ああいうプレーをしてみたいな。」と思ったからです。それから六年間ずっと野球を続けてきました。そのことがきっかけで、スポーツ関係の仕事に就くことが、ぼくの将来の夢です。

成基学園に入塾したのは、四年生になったばかりの頃でした。兄も中学受験を経験していることと、成基学園であれば野球と勉強をしっかり両立させることができると思い、体験授業と入塾試験を受けて入塾しました。入塾してからは、たくさんの友だちができ、成績もまずまずで、とても楽しく過ごすことができました。

五年生に進級し、そろそろ志望校を決めなければならないと思い、いろいろな中学校の説明会や見学会に参加しました。その中で、一番行きたい学校を決めました。それが、関西学院中学部でした。説明会に行ったときに、在校生の方が親切に道案内してくださるなど、ぼくに対して、とても優しく接してくれたことと、授業とクラブ、どちらもとても楽しそうだという印象を得たことがきっかけです。それからは、学校をよく知るために何度も説明会に行ったり、文化祭に行ったりして、学校のことが分かるように努力しました。

六年生になると、勉強は予想していたよりもハードになりました。成績も五年生のときの勉強不足が影響し、なかなか向上していきませんでした。家に帰るとボーっとしてしまい、一定のペースで勉強をするという習慣が、なかなかつきませんでした。そんなぼくが、「合格するには、ひたすら勉強するより、ほかない！」と、本気で思いはじめたのは夏休み頃からです。合格圏内にいたわけでもないし、周りの友だちも朝早くから夜遅くまで教室で自習しているし、さすがに、「このままではやばい。」と思いはじめ、覚悟を決めました。友だちと同じように、毎日朝早くから夜遅くまで、ただただ勉強だけをやりました。体力に限界がきても、それを乗り越えると心も体も強くなると思って耐えました。「夏期学習合宿」も正直つらかったです。それでも、根性で夏休みという大きな壁を一つ乗り越えたことが、自信につながりました。

しかし、まだ成績の浮き沈みはあり、志望校の合格ラインにも全然届いていませんでした。そんな、くじけそうなときに、ぼくを励ましてくださったのは担任のＫ先生でした。「大丈夫、お前は今から伸びるから。」と言葉をかけてくださいました。また、「受験は算数で決まる」と言っておられたので、九月から算数の授業を週四回受けるようにしました。そして、関西学院中学部の過去の入試問題を二十一年分、その他に明星中学校や甲南中学校など、五校の入試問題を十年分以上解きました。問題を解いていくうちに、初めは苦手だった算数が、気がつけば逆に得意科目になっていました。自分でも驚くほどに算数の成績が上がりました。国語もぼくが作った答案をN先生が毎回、毎回添削し、アドバイスをしてくださり、また、答案の作り方をしっかり教えてくださいました。そして、理科はK先生の授業が楽しすぎて、暗記も苦になることはまったくなく、楽しく覚えることができました。夏休みから入試本番まで「絶対悔いが残らないように」と思って、精一杯の努力をしました。本番の一日前の決起集会には、たくさんの先輩が来てくださって、大量の差し入れをいただき、みんなで「絶対合格するぞ！」と決意を固めました。

そして入試当日。会場に着くと、国語のN先生と塾の友だちがいてくれて、安心しました。午前の入試が終わるとすぐに、午後の明星中の入試に向かいました。そうして、何とか無事に一日目は終わりました。関西学院中は二日入試なので、二日目も会場に行きました。教室長のS先生が激励してくださいました。その日の午後は関西大倉中学校を受け、三日目は甲南中を受け、三日間で四校、五回の受験をしました。

そして、合格発表。母と二人で見に行きました。自分の番号を見つけたとき、母が涙を流して喜んでいる姿を見て、今までがんばってよかったと思いました。

いろいろな人に支えてもらっての合格だと思っています。中でも両親には、本当に感謝しています。毎日ぼくのためにお弁当を作ってくれて、夜遅くなっても快く迎えに来てくれたからです。ぼくは、中学受験の合格がゴールではなく、むしろスタートだと思っています。これから、夢を実現するために今までより、さらにいろいろなことに努力していきたいと思っています。